東京に帰ってきました。あっという間にいつもの生活に戻っています。仕事して、飲んで、眠れなくて、朝になって。ただ少し違うのは、もしかしたら書けるかも知れない、と思えるようになったこと。自分の中にいろんな新しいものがインプットされたことで、これまでとは違う斬り方で物事が見えるようになるかも知れないと思えるようになりました。少し前進です。

行き帰りの飛行機でずっとル・ボンの「群衆心理」を読んでいました。「光の子と闇の子」の中に、「光の子は闇の子の知恵から学ぶべきである」と書いてあって。光の子ってそんなに政治的であっていいんだ、だったら「ただの子」も「闇の子」から学ばなければ、と思って。


およそ推理や論証をまぬかれた無条件な断言こそ、群衆の精神にある思想を沁み込ませる確実な手段となる。断言は、証拠や論証を伴わない簡潔なものであればあるほど、ますます威力を持つ。あらゆる時代の宗教書にせよ法典にせよ、常に単純な断言の方法を用いたのである。しかしながら、この断言はたえず、しかも出来るだけ同じ言葉で繰り返されなければ実際の影響力を持てない。真実の修辞形式はただひとつ、反復あるのみ、とナポレオンが言った。

今日、偉大な人心収らん者の多くは、もはや祭壇こそ持っていないが、彫像や画像を持っている。そして、彼らに捧げられる崇拝は、かつてのそれと著しく相違しているわけではない。群衆にとっては神とならねばならない、さもなくば何ものでもない、という群衆心理の奥義を究めたのちにはじめて、歴史哲学をやや理解しうるようになるのである。


100年以上前に書かれたものですが、社会主義の崩壊もいち早く予言されていたり、いま読んでも全然古さを感じない、示唆に富んだ本です。でも、こういう本が文庫で手軽に読めるのって、日本だけなんじゃないかな…。アメリカだとかなり大きい書店に行っても、こういう本は置いてないし。日本の出版文化って、結構スゴイと思います。

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2011年2月7日11:41

>もしかしたら書けるかも知れない、と思えるようになったこと。自分の中にいろんな新しいものがインプットされたことで、これまでとは違う斬り方で物事が見えるようになるかも知れないと思えるようになりました。少し前進です。

 あ、わかります、それ(^^)

 ぼちぼち行きましょうね~♪

ぱでぃ
2011年2月13日2:37

桐木りすさん
ありがとうございます!

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